2024/03/13

地理学会シンポジウム「地形・植生・人の見えないつながりを 見える化する―高精細地理情報を用いた流域内コネクティビティの研究―」

2024年3月20日(水)の日本地理学会2024年春季学術大会(青山学院大学)にて、下記のシンポジウムを行います。

シンポジウムS6

地形・植生・人の見えないつながりを見える化する

――高精細地理情報を用いた流域内コネクティビティの研究――

 陸域での基本単位である流域内の地形-植生-人間社会の相互接続性(コネクティビティ)の解明と防災への応用が重要な課題である.急速に発展するドローンやレーザースキャナなどの技術は,蓄積された過去数十年の空中写真や衛星画像と組み合わせることで,コネクティビティを時空間的に高精細に分析する強力な手段となる.本シンポジウムでは国際的動向も踏まえ,コネクティビティに関する研究成果と今後の方向性を議論する.

https://www.ajg.or.jp/20240306/20381/#S6


プログラム

S501   13:00-13:15  
早川 裕弌(北海道大):高精細多層地表情報を用いた景観をまたぐ相互接続性の解明に向けて

S502   13:15-13:35
小倉拓郎(兵庫教育大)ほか:高精細地理情報と絵図を用いたEco-DRR施設の可視化―滋賀県愛知川中流域・猿尾の事例―

S503   13:35-13:55
飯塚浩太郎*(東京大)・朱子豪(十方資源科技股份有限公司):超長波を用いた地下構造解析

S504   13:55-14:15
加藤 顕(千葉大)ほか:3次元データを用いた地形と植生の新たな展開

S505   14:15-14:35
堀田紀文(東京大):流域への土砂供給は土石流扇状地を介してどのように制御されるのか? ―大谷崩における研究を通して考えたこと―

S506   14:35-14:50
齋藤 仁(名古屋大)ほか:高精細地理情報を用いた斜面崩壊と植生景観に関する研究

S507   14:50-15:10
手代木 功基(金沢大):阿蘇の植生変化から考えるジオコネクティビティ

S508   15:10-15:30
伊藤千尋(九州大):阿蘇の草原に刻まれたつながりの痕跡をたどる―多様な「人と自然」の在り方をつなぐための超学際研究に向けて―

S509   15:30-15:50
内山庄一郎(防災科研):高精細多層地表情報の活用による防災減災の実現に向けて 

[総合討論] 15:50-16:30  




2023/12/22

発表募集:JpGU 2024 H-TT14 "HIGH-DEFINITION TOPOGRAPHIC SURFACE DATA FOR CONNECTIVITY IN THE ANTHROPOCENE" / 日本地球惑星科学連合2024年大会国際セッション「高精細地形表層情報と人新世におけるコネクティビティ」発表募集

日本地球惑星科学連合JpGU 2024は、2024年5月26日(日)〜31日(金)に、昨年同様、幕張メッセでの対面およびオンラインのハイブリッド形式で開催されます。口頭発表は現地、あるいはZoom経由でのオンラインライブ発表(録画放映も可)、ポスター発表は現地とe-posterおよびフラッシュトークです。

本年も、高精細地形情報に関するセッションを開催します。口頭発表は火曜午後(2024/5/28 PM2, 15:30–17:00)、現地ポスター発表のコアタイムは同日夕刻(2024/5/28 PM3, 17:15–18:45)となります。

地球人間圏科学セクションからの開催となりますが、あらゆる分野からのご発表を歓迎します。EGUとのJoint Session、および日本地形学連合の学協会セッションでもあります。人間活動との相関にも着目し、「人新世(the Anthropocene)」を主な対象とした、高精細データの利活用を探ります。また、さまざまな現象の相互接続性(コネクティビティ)にも注目し、とくに地面に根ざした接続性「ジオ・コネクティビティ」の視点から、自然現象・人文現象を問わず多様な「つながり」を紐解いていくことを目指します。高精細地形・地物情報のテクニカルな面から応用的な面まで、幅広いテーマでの研究発表をお待ちしています。 幅広い視野で、地球上の「つながり」を紐解いていきましょう。

****


Hybrid Oral: PM2 (15:30-17:00) on May 28 (Tue), 2024

Onsite Poster: PM3 on May 28 (Tue)

https://www.jpgu.org/meeting_e2024/sessionlist_en/detail/H-TT14.html

joint session with EGU

co-sponsored by Japanese Geomorphological Union

Welcome to our session on the high-definition topographic data for connectivity in the Anthropocene! We are open to various applications of high-definition data on the Earth surface processes that are often connected and disconnected. Among civil engineering, forestry, geomorphology, archaeology, and other interdisciplinary fields, 3D point-cloud data and its derivatives have revolutionized data collection, processing, archive, and the way we think of the surfaces we live on explore. Come and be part of this revolution and share your own experience in a friendly environment.

人新世におけるコネクティビティと高精細地表地形データの本セッションでは、つながる・とぎれる地球表層プロセスに関する高精細データの様々な応用例を募集します。土木工学、森林科学、地形学、考古学など、様々な学際的分野の中で、3D点群とその派生データに関して、データの収集、処理、保管、そして私たちが住む地表環境に対する考え方に革命が起きつつあります。このセッションで、ご自身の経験を共有してみませんか?

Abstract submission deadline: February 15 (Thu), 2024 (17:00 JST)

early-bird deadline with discount rates: February 1 (Thu), 2024 (23:59 JST) 

submit your abstract: http://www.jpgu.org/meeting_e2024/

2023/12/02

開催報告:田谷の洞窟 立体レリーフ大作戦!

いつも小大連携授業をしていた横浜市栄区の地域連携ですが、今年度は諸事情により小学校での授業が実施されませんでした。

その代わり(?)に、地域遺産としての「田谷の洞窟」の中の壁に数多ある歴史的レリーフ(彫刻)を題材として、立体模型をつくって色を塗るという、ワークショップを行いました。



​「田谷の洞窟 立体レリーフ大作戦」

基礎調査で取得したレリーフの3Dデータから立体的な型枠をつくって、紙粘土を押さえて「田谷の洞窟立体模型」を作ろう!

日時:2023年12月2日(土)13:00~16:00(所要時間約30分)
場所:定泉寺(田谷の洞窟)客殿
費用:無料(だれでも参加いただけます!小中学生歓迎!)
申込:不要(当日定泉寺受付でワークショップ参加をお伝えください!)
​備考:当日作った模型はお持ち帰りいただけます。

田谷の洞窟保存実行委員会ウェブサイト


事前申込不要としたので、どれだけ来ていただけるか、当日になるまでわからなかったのですが、結果的に20名以上の方(小学生13名、保護者10名)に次々と来ていただき、紙粘土でのレリーフ工作と着色をたのしんでもらえました。大盛況!


 

以下はみなさんの作品のご紹介です。
それぞれ、独創的な色づかいで、作品のタイトルもつけていただきました。

『こいするクジャク』
『ホウホウ』

『ししとつばめ』

『うみにいるかめ』

『どうくつの中にいる しし』
『空をとぶ つばめ』

『千秀のりゅう』


『天女のほほえみ』

『神龍(シェンロン)』


『炎のほうおう』

『高龍(空たかくとんでいるりゅう)』



『水亀』


『とり』


『ほく竜』

田谷の洞窟や、里山のことを、すこしでも知ってもらえたら、またそのきっかけになったら嬉しいです。

ぜひまた来てください!


2023/11/22

開催報告:JGU地形の学校2023 & GEOCONNECTION 2023 Symposium

2023年11月22日(水)に、JGU地形の学校2023「スマホのライダーで高精細に地形環境を測ってみよう!」と、国際シンポジウム「GEOCONNECTION 2023」を行いました。

開催告知:

午前はJGU地形の学校としてのミニワークショップです。スマートフォン(iPhone Pro)に備わったレーザ計測センサ(ライダー Lidar)で、地形環境を測る実演を行いました。

座学では、Lidar、GNSSなどの基本から、iPhone Lidarの応用事例を紹介しました。

屋外でのデモンストレーションでは、PIX4D viDoc RTK roverを備えたiPhone Proで、高精度計測の実演を行いました。またそのデータを用いた解析の例示もしました。

2023/10/27

開催告知:JGU地形の学校2023「低価格ライダーで3D環境計測」

スマートフォンに備わったレーザ計測センサ(ライダー Lidar)で、地形環境を測るミニワークショップを行います。

主にiPhone Proを使って、実演を交えた解説を行います。今回は「JGU地形の学校」としての開催です。

オンサイト、オンライン両方で行いますので、現地に来れる方も、リモート参加の方も、歓迎です。

参加申し込みはこちら(無料):https://jgu-school-2023.peatix.com/

また、同日午後には、続けてこちらのシンポジウムもありますので、あわせてご検討ください。
GEOCONNECTION 2023
https://hdtopography.blogspot.com/2023/10/geoconnection-2023.html



スマホのライダーで高精細に地形環境を測ってみよう!

地形や地表の環境を面的に測る方法は、トータルステーション、写真測量、地上レーザ測量、衛星画像、空中写真、無人航空機など、さまざまなものがあります。本講座では、とくに最近普及してきたスマホ(iPhone Pro等)のレーザセンサを用いた、地に足をつけた地形計測について、データの取り方から分析の仕方までを、実演を交えながら学びます。

Let's measure the topographic environment in high definition with a smartphone-borne lidar!

There are various methods for measuring topography and surface environments, including total stations, photogrammetry, terrestrial laser scanning, satellite imagery, and aerial photography. In this course, you will specifically learn about topographic measurement using laser sensors, particularly with smartphones such as iPhone Pro, which have become more popular in recent times. The course will cover the entire process from data acquisition to analysis and will include demonstrations.

2023/10/24

開催告知:GEOCONNECTION 2023

さまざまな分野の方を迎えて、国際シンポジウムを行います。

その名も「GEOCONNECTION」。

ジオ(地表・地球)をベースに、地形、生態、社会などさまざまな自然現象や人間活動を、高精細多層地表情報(HiMESD)を軸に、見えないつながり(コネクティビティ)を見出していければと思います。

高精細地形情報シンポジウムの後継という位置づけでもあります。

オンサイト、オンライン両方で行いますので、現地に来れる方も、リモート参加の方も、歓迎です。

参加申し込みはこちら(無料):https://geoconnection2023.peatix.com/

また、同日午前にはこちらのミニワークショップもありますので、あわせてご検討ください。
JGU地形の学校2023「低価格ライダーで3D環境計測」
https://hdtopography.blogspot.com/2023/10/jgu-school-2023.html





High-definition 3D earth surface data, obtainable via methods like UAS and handheld devices, are becoming increasingly available due to the advancements in photogrammetry (SfM-MVS) and laser scanning (Lidar) technologies. Yet, there's a pressing need to enhance data acquisition, analysis, storage, sharing, and visualization, across research, education, buisiness, and industry. In this symposium, we will explore fundamental research and applications using High-definition Multilayered Earth Surface Data (HiMESD), covering various components — topography, ecology, and society, and discuss optimal solutions for HiMESD utilization.


地球表層環境の3次元データが、無人航空機やハンドヘルドデバイスなどさまざまな手法で高精細に取得可能となってきています。写真測量(SfM-MVS)やレーザ測量(Lidar)技術が進歩する一方、研究や教育、実務において、こうしたデータの取得や解析手法のみならず、保管、共有、可視化といった総合的な利活用の推進が望まれています。本シンポジウムでは、地形、生態、社会を含む、地球表層の構成要素を対象とした、さまざまな分野における高精細多層地表情報(HiMESD)の基礎研究や応用事例を紹介し、HiMESDのさらなる活用に向けて議論します。

2023/08/20

開催報告:ひらめき☆ときめきサイエンス2023「ドローンでミニチュア地形をつくろう!-みて、さわって、多次元高精細地表情報-」

小学生・中学生向けワークショップ「ドローンでミニチュア地形をつくろう!」を、札幌の小学校夏休みの最後の日、2023年8月20日に北大地球環境科学研究院で開催しました。

開催告知はこちら→ https://hdtopography.blogspot.com/2023/06/hiratoki2023call.html

2年ぶりの開催でした。
これまでは、例年ダンボール工作を中心としていましたが、今回は「反転模型」を使った粘土工作を主軸としました。

当日の様子を写真で振り返ります。

まずは、このプログラムに関する「科研費」や、自然環境と3D情報についての話を解説します。自然の景色をどのように「測る」のでしょうか?

兵庫から飛んできた小倉先生は、「日本全国3D地形ツアー」を行います。
空中パノラマ画像や、3DデータのVR(ヴァーチャルリアリティ)も駆使して地形を体感します。

心配された雨も上がったので、外に出て、ドローンのフライトデモンストレーションを。
(国交省、北大など必要な許可を得た上で実施しております)

また室内でも、地形模型や、計測機材(ドローンやレーザセンサ)を見て、さわって、体感します。

トイドローンの操縦体験!

お待ちかね、ランチタイム!

そして、粘土工作に入ります。

  
「反転模型」を用意して、紙粘土に押しつけます。すると・・・

「正本」の紙粘土地形模型ができあがります!これは遺跡。

 
山、滝、崩壊地などいろいろあります。羊蹄山(左)が人気。右は厚真。

現実の写真を参考にしたり、想像を膨らませて、自由に色付けを行います。

  
            
ほんとうに、いろいろな作品ができあがりました!
洪水、山崩れ、隕石、へび、いるか、お花、レインボー、などなど、
みなさんの想像力がすばらしい。

作業は地道に進めます。

おやつでひと休み。

さいごに、各チーム、各人、それぞれなにを、どのようにつくったのか、景色の未来はどうなるのか、といった発表をしました。

粘土工作は初めての試みでしたが、みなさん、主催者の想像以上にさまざまな工夫を凝らして、作品を作っていただけました。
みんさんのクリエイティビティに、とてもびっくりです。
目で見て、手で触って、自分で考えて作り込んでいく。こうした過程が、自然の景色や地球環境の変化から、人との関わりについての理解にもつながることを願っています。