参加報告:田谷の里山・地形模型完成披露会

 神奈川県横浜市栄区田谷町には、「田谷の洞窟」と呼ばれる手彫りの洞窟があります。その環境保全に関する研究を、埼玉大学大学院理工学研究科の小口千明研究室と共同で行っております。 本日は、その環境調査の成果報告と、地域の地形情報をもとに、小学生たちが製作した「地形模型」の披露会が行われました。


 地域の小学校(横浜市立千秀小学校)6年生が作成した地形模型です。自分で素材を切って貼って積み上げるプロセスを通して、地域の地形的な特徴を体感することができます。地形模型を見ながら、「このへん水が流れるかもしれないねー」などとお話する児童もいました。


千秀小学校6年生は、総合的な学習の時間で1年間田谷の洞窟について歴史や環境などに関する探究学習を行ってきました。地形模型は、その時間にクラスで一丸となって作成したものです。計12時間配当で実施され、その導入の時間に、地形模型の基となったデータの取得方法や高精細地形情報を利用した環境調査の手法について1月に早川が講義を行いました。UASやTLSを用いたデータ解析手法についての解説はもちろん、3Dプリントモデルを用いた地形の侵食・堆積域の理解促進にもトライしました。
(写真は2月3日に千秀小学校6年1組・総合的な学習の時間で行われた授業風景)


……空き時間にこっそりSfMを用いてざっくり3Dスキャンしてみました。
こちらのURLからモデルを触れてみてください。


当日は部屋がいっぱいになるくらい、地域住民の方々がお越しになりました。


地形鮮明化プロジェクトからは、UASで取得した点群データや3Dモデルの展示、パノラマ画像を用いたVR体験などを出展しました。1年間学習してきた田谷の洞窟の3Dアーカイブデータを、実際にタッチパネルを通して触れてもらいました。


ヘッドセットを装着し、地域の様子について実際に動きながら見てもらいました。


イメージ図です。こちらを俯瞰してVRで見てもらいました。




他にも、地域の高校の総合的な学習の成果報告や、ボランティアによる軽食販売、田谷の洞窟保全実行委員会のあゆみについての展示などが見られました。


 こちらの授業実践の成果については、一部を5月に幕張で行われる日本地球惑星科学連合(JpGU)のアウトリーチセッションで報告いたします。ご興味のある方はぜひいらしてください。